切ないSandglassの話
11thシングル「ガールズコード」のカップリング曲。
今までのPoppin'Partyの曲(特に歌詞)はどこかしらストーリーとのリンクがあるものがほとんどでしたが、この曲に関しては発売時点で全くといっていいほど繋がりが見つかりません。
この曲はTime Lapse以来の上松範康さんが作曲したPoppin'Party曲となりますが、何を描きたかったのか?といったヒントが作詞の中村航さんとの対談の中にありました。
バンドリのオタクはこれを読んでくれ。正直お二人がここまで真剣に長期的な計画を考えてくれているとは思いませんでした。
”「成長」って切なさもあって、彼女たちが成長することで失うこともあるでしょう。それを次のステップで表現できれば、ポピパは曲ももう少し強くなると思います。”
この文章を読んだときに、これこそまさに切ないSandglassで表現したかったことそのものだったのかと腑に落ちました。
※ここから個人的な考察に入ります。
正直まだまだ確信をもってこうだ!と言い切れるほどの自信はありませんが、現時点での考えをまとめました。
Poppin'Partyが次のステップに進んだことを示す一曲と位置付けられる切ないSandglassですが、私がこの曲を聴いた後の感想が「本当にこの戸山香澄は16歳なのか?」でした。
あまりにも考察が行き詰まりすぎて切ないSandglassの戸山香澄は本当に16歳なのか?ってなっている。
— 天空@ロッキン (@sky21phoenix) 2018年10月4日
あくまで私見ですが、この曲を歌っているのはやっぱり16歳の戸山香澄ではなく高2の3月ごろの戸山香澄なのではないか?と四つの要因から考えました。
1.「春夏秋冬」それぞれのストーリーを2回描いている
春に泣いて 夏に決めた これからのこと――
秋に秘めて 冬に知った これまでを――
春に出会い 夏に思う そのままでいて――
秋に触れて 冬に願う このままで――
1番、2番のサビではそれぞれまるで今まで起こっていったことを振り返っているかのような歌詞を、大サビでは同じ春夏秋冬の話ですが一転して一般的な話をしています。
2番のサビは出会いを語っているので高1の話と考えると、1番のサビが二期、三期で描かれるであろう高2の話なのかな?と思っています。
羽丘組(友希那と蘭)のネクタイの色が現行から変わっています。
5th当日の朝に二期は噂になっていましたがまさか三期まで発表してくるとは思いませんでした。さすがみもりんとオカダの文春砲をうまくさばいた会社だ。
2.明確に「時間の経過」を意識し、変化を恐れている
過ぎ去ったら 何が残る? 青春はどこへ?
零れ落ちてしまうだけの青い砂(青春は)
春に出会い 夏に思う そのままでいて――
秋に触れて 冬に願う このままで――
この三か所に顕著に見られるように、過ぎ去っていく青春を惜しんでいる気持ち、そのままでいたいとの願いが描かれています。
いわゆるサザエさん時空であれば、時間の経過などというものは季節が一周すれば戻ってくるものであるので気にすることもありませんが、アニメ二期の時間軸をを考えるとどうしても時間の針を一年進めないといけないようです。
どうしても”卒業”というものがよぎってくるのでできるだけゆっくりとした進行をお願いしたいのですが・・・
3.「今」を強く意識している
”今のすべて 祈るように 大切にしたい”
「今」はバンドストーリー2章及び10thシングルの表題曲である「二重の虹」以降のテーマともなっています。
この言葉もこの曲の中に入るとどうしても「残り少ない」という枕詞が入るような感覚に陥るのは”卒業”に対しての恐れなのでしょうか。
もし想定通り高2の3月に時間軸が置かれているとすると、高校生としては春夏秋冬の季節の巡りがそれぞれ残り1回ずつ廻ってきます。「残り少ない今」となる高校最後の春・夏・秋・冬を大切に生きていかなければとこの曲を通して自らに言い聞かせているのでは?と捉えました。
4.悩みに対しての回答がない
これについてはどこがどうといった部分はないのですが、今までの曲については不安や心配などのマイナスな感情を一時的に抱えることはあっても抱えっぱなしのまま終わることはなかったように思います。
しかし、この曲については青春を零れ落ちるままにしていたり、終わりや変化を受け入れるような描写も特に描かれているわけではなかったりと、マイナスなまま終わらせているような印象を受け、”卒業”が着実に迫っているものの、未だ回答を見いだせていない焦りのようなものを感じられました。
もしかしたら今後切ないSandglassのアンサーソングにあたる曲が作られるのかもしれないな?と予想しています(もしかしたらキズナミュージック♪のカップリングあたり?)。
純粋に楽曲だけから受け取った印象をもとに考察していますので、実は全く見当違いのことを言っているのかもしれませんが、ご容赦頂ければ幸いです。